自動運転のための社会インフラ学

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特集1 (『自動運転の論点』編集部)
数年のうちに本格化していくインフラの老朽化に、私たちはどう対処することができるのだろうか。またそれは、自動運転社会のためのインフラ投資と、どのように両立させることができるのだろうか。経済学、建築、省庁、ベンチャー企業という4つの業界の専門家が、日本のインフラについて考察する。

「自動運転技術が進歩すれば、こんなに素晴らしい未来が待っている」

技術動向や、生活への影響についての話題が各メディアをにぎわすなか、自動運転そのものを下支えするインフラストラクチャーについて、十分に議論がなされているとは言い難い。

インフラ(ここでは特に交通インフラ)は、整備・活用されることによって、経済活動を促進する公共財だが、物財であるためにメンテナンスに大きなコストがかかる。

日本の道路インフラは、多くが高度成長期に集中投資して整備したもので、私たちは今でもその恩恵を享受している。しかし、短期間のうちに整備したインフラは、老朽化も短期間に集中し、今後、道路の陥没や、トンネルの剥落といった事故が増えることが予想される。老朽化の進むインフラに対して、私たちはどう対処すべきなのだろうか。

『朽ちるインフラ』の著者である根本祐二(東洋大学経済学部教授)は、人口減少が進む日本で、今までと同じ規模でインフラを維持するのは難しいと主張する。人口増加が担保されていた時代には、大規模な先行投資を、人口増によって回収することが可能だった。しかし、これからの人口減少社会で、適切にインフラを管理するためには、「選択と集中」が必要になる。

橋 イメージ

そもそも社会インフラは、人類が定住生活を始めたばかりの時代から、人が自然に手を加えることで構築されてきたものだ。

富山大学教授の久保田善明によれば、社会インフラは古くから、地域の人々の生活に欠かせない社会的道具であり、人々はその恩恵をよく理解して、自分ごととしてメンテナンスに関わったという。私たちは、社会インフラをただの物理的な装置として理解するのではなく、人間―社会―自然の複雑な関係性の中に埋め込まれたシステムとして、自分ごとのような親しみを「意識的に生み出す努力」が必要なのだ。(「社会インフラのメンテナンスと風土・景観」

数年のうちに本格化していくインフラの老朽化に、私たちはどう対処することができるのだろうか。またそれは、自動運転社会のためのインフラ投資と、どのように両立させることができるのだろうか。

この特集では、経済学、建築、省庁、ベンチャー企業という4つの業界の専門家が、日本のインフラについて考察する。