インタビューから読み解く技術と社会

小見門 宏

最新記事はこちら

小見門 宏
小見門 宏 (こみかど・ひろし)
東京大学工学部卒。東京大学大学院工学系研究科修士課程在学(社会基盤専攻)。技術の進歩は肥満率増加に繋がるのではないかという個人的危機感から編集部に参加。興味関心は、都市・人間・技術の相互作用とその未来。

技術革新やグローバリゼーションは瞬く間に進展し、世界はその複雑さを急速に増しています。企業が開発する技術やシステムは一夜にして世界中に広がり、難民や環境破壊などの社会問題は国境を越えて全世界的な課題となっています。

技術の開発や社会問題の解決は、今や、一部の専門家のみの問題ではありません。あらゆる分野に大きなインパクトを与えた人工知能の開発には、工学系・情報系の研究者だけでなく、神経科学や認知科学などの研究者も携わるようになっています。

人工知能を搭載したモビリティによって果たされる自動運転は、交通や物流はもちろん福祉や医療、建築といった業界にまで多大な影響を与え、同時に倫理的・法制度的な問題も生み出すでしょう。

このような複雑な世界で、技術や現象をある側面から切り取って論じるだけでは決して十分ではありません。それぞれの専門家による具体的な議論を把握しながらも、それらを統合する俯瞰的な知や視点を持つことが求められています。

本論考では、様々な領域を横断しながら、実社会での問題解決に日々取り組んでいる方々にインタビューを行い、自動運転や、それをさらに一般化した技術そのものと人間社会との関係性を、包括的に論じることを目指していきます。