これからの自動運転と福祉デザイン

川村 匡由

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川村 匡由
川村 匡由 (かわむら・まさよし)
1946年、静岡県生まれ。立命館大学文学部を卒業後、新聞記者として年金や高齢者福祉を取材。年金についての本を上梓したことをきっかけに、1974年、日本福祉大学の専門学校講師に転身した。つくば国際大学教授などを経て、翌1999年、早稲田大学大学院人間科学研究科で博士号(人間科学)を取得。2016年、武蔵野大学名誉教授。福祉デザイン研究所、地域サロン「ぷらっと」を主宰。 主著に『地域福祉源流の真実と防災福祉コミュニティ』(大学教育出版)、『脱・限界集落はスイスに学べ』(農文協)、『シリーズ・21世紀の社会福祉』(全21巻・編著、ミネルヴァ書房)、『介護保険再点検』(ミネルヴァ書房)、『地域福祉とソーシャルガバナンス』(中央法規出版)、『人生100年“超”サバイバル法』(久美出版)、『団塊世代の地域デビュー』(みらい)など。『防災福祉のまちづくりとそのシステム(仮題)』(水曜社)も出版予定。 *川村匡由のホームページ

自動車と聞いて誰もが思うのは、自動車は「自分で走って曲がり、止まる」きわめて重宝な輸送手段の一つであることだ。汽車や電車、バス、ケーブルカー、ロープウェー、航空機などの公共交通機関と違い、運転免許証と自動車を手に入れれば誰でも好きなときに、好きな場所へ移動できる。

その意味では、自動車はきわめて自由で気ままな乗り物だが、その前提には、自動車の維持費用の負担と、道路の整備、運転の能力が揃わなければならない。高齢になって心身の機能が低下したり、障害を持ったりすれば自動車での移動も制約され、人々のコミュニケ―ションにも支障を来たしてしまう。

このような中、各メーカーが開発を進める高度運転支援システムや、自動運転技術は、私たちのライフスタイルを根底から覆すほどのインパクトをもたらすだろう。福祉の分野でも、大きな成果が見込まれる。

川村 匡由

しかし、自分で運転する楽しみや癒し、事故の際の被害者への賠償、刑事・行政責任はどうなるのか、また、それまで自動車が深めてきた人々とのコミュニケーションやコミュニティなどはどのように様変わりするのか。自動運転の技術の普及に対する期待の一方、課題も生じるように思われる。かくいう筆者も、実は大の自動車ファンの一人である。

そこで、これから10回にわたり、社会保障学者という立場から、自動運転が社会にどのような影響を与えうるか考えてみたい。前半では、輸送手段の変遷や自動車の普及が、社会や人々のライフスタイルにどのような影響を与えてきたかを振り返り、後半では「福祉デザイン」の視点から、より良い福祉コミュニティのために自動運転をどう役立てることができるのかを考える。

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川村 匡由 (かわむら・まさよし)
1946年、静岡県生まれ。立命館大学文学部を卒業後、新聞記者として年金や高齢者福祉を取材。年金についての本を上梓したことをきっかけに、1974年、日本福祉大学の専門学校講師に転身した。つくば国際大学教授などを経て、翌1999年、早稲田大学大学院人間科学研究科で博士号(人間科学)を取得。2016年、武蔵野大学名誉教授。福祉デザイン研究所、地域サロン「ぷらっと」を主宰。 主著に『地域福祉源流の真実と防災福祉コミュニティ』(大学教育出版)、『脱・限界集落はスイスに学べ』(農文協)、『シリーズ・21世紀の社会福祉』(全21巻・編著、ミネルヴァ書房)、『介護保険再点検』(ミネルヴァ書房)、『地域福祉とソーシャルガバナンス』(中央法規出版)、『人生100年“超”サバイバル法』(久美出版)、『団塊世代の地域デビュー』(みらい)など。『防災福祉のまちづくりとそのシステム(仮題)』(水曜社)も出版予定。 *川村匡由のホームページ

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