不便益研究からみた理想の運転支援システム平岡 敏洋

⑧リスク補償行動を抑えるためには

2017.07.20

リスクホメオスタシス理論によれば、危険だった物事が安全になると、そのマージンだけ人は大胆になり、危険な行動をするようになる(=リスク補償行動)。実験によれば、無信号交差点で左右から来る車両の存在を知らせる情報をドライバーに提供すると、交差点進入時の左右確認回数が減ることがわかっている。

このリスク補償行動を抑えるためには、(1)知覚するリスクを上げる、(2)目標リスク水準を下げるという2通りのやり方がある。(1)知覚するリスクを上げる方法には、人間の錯視を利用する方法(シークエンスデザイン、錯視ゲート)などがあり、(2)目標リスク水準を下げる方法には、罰則強化や「安全運転って面倒くさいけど楽しい!」と思わせる運転支援システムの導入などがある。

⑧リスク補償行動を抑えるためには