1974年のパソコン「ALTO」は、ディスプレイとキーボード、マウスを備えたものだ。今のパソコンは40年前に出た「ALTO」から、あまり変化していない。スマートフォンが登場したことも、パソコンのマウスが手に変わっただけで、あまり大きな変化ではない。このまま変化のない状態を、向こう30年間も続けていっていいのだろうか。
生物の最も大きな変化は、カンブリア紀に起きたといわれている。機械の世界でも、キーボードのように社会に定着してしまったものは難しいが、未だ定着していない他の分野であれば、カンブリア紀のような大きな変化が起こる可能性がある。その分野とは、「ユビキタス・コンピューティング」だ。
アラン・ケイは「将来を予測したければ、自分が発明してしまえばいい」といった。将来の常識になるようなものを自分で発明することは、発明家の多くの、また私の夢でもある。
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慶応義塾大学・環境情報学部 教授 増井俊之氏の語る「価値創造プロセスを革新するための方法」#5
2015年3月23日(月)19:30~22:00
慶応義塾大学・環境情報学部 教授 増井俊之(ますい としゆき)